看護師の勉強

カルテから情報収集する項目~外科病棟編~【新人看護師向け】

カルテなんてどうやって見ればいいの? 
どうやって情報をとるの?

なんて悩みは少なくないでしょう。

カルテから正確に患者の情報を取ることはとても大事なことです。

今回は、「カルテから情報収集する項目」についてお伝えします。

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最低限取るべき情報

まず最低限取るべき情報についてお話します。

  • プロフィール
  • 入院までの経過
  • 手術記録
  • 入院中の経過(経過表など)
  • 投薬類(内服薬・注射)
  • 医療処置、看護ケア、検査
  • 医師の指示簿
  • 掲示板
こんな多いの?

なので、最低限これらの情報は取ってほしいですが、全部を100%把握するのは無理な話です。

最低限のポイントは押さえ、比重を考えましょう。

ですが、「あくまでもここは網羅しましょう」という話なので、受け持つ患者によってポイントと比重は異なります。

プロフィール

プロフィールに中でもすべてを把握はできません。
情報量が膨大ですよね。

せめて既往歴とアレルギーは見ておきましょう

例えば「血圧が高い」患者がいたとして

  • 高血圧の既往がある人
  • 既往が無い人

では、考えることが変わってきますよね。

患者の体を把握する上で既往歴はベースとなるので押さえておきたいです。

アレルギーは漏れがちな項目なので最初から見ておく癖をつけておきたいですね。

アレルギーは知らなかったでは済まされない、命に関わることです。

余裕があったら家族構成や職業、居住地なども見ておくといいでしょう。

最初は担当することが無いと思いますが、そのうち「入院」も担当することになるでしょう。

「入院」を取るときは、これらの基本情報はとても大事になってきます。

入院までの経過

入院までの経過を把握することはどのようにして入院してきた経緯を知ることになります。

どういう経緯で手術に至ったのかなど今までの治療や経緯を知ることが出来ます。

一色単に「手術」するといっても

  • 人生初めての入院で手術が決まった人
  • 今まで何回も手術を経験している人
  • 他の治療を経て手術に臨む人

それぞれ、不安や抱えているものが異なります。

初めての入院でただでさえ不安なのに、手術なんてもっと不安でしょう。
何回も手術する方は、手術へのイメージはついているかもしれませんが、何回も繰り返しており、「また手術になってしまった」と落ち込みもあるかもしれません。完治できていないという現状にナーバスになっている方もいるでしょう。
他の治療を経て、やっと手術に持ち込めた方は、今までの治療を頑張ってきたことへの労いも必要です。

手術記録

手術記録は必ず見るところです。

術後何日目なのかにもよりますが、術後からまだ日が浅い場合はより重点を置いてください。

見るべきところは

  • 手術日
  • 手術名
  • 手術の方法(開腹や腹腔鏡下など)
  • 手術内容(切除範囲、合併切除など主な部位以外に切除したところ)

最初は難しいかもしれませんが、だんだんと理解できるようになってきます。

例えば「腹腔鏡下肝部分切除」だと、肝臓を腹腔鏡下で部分切除したということはわかります。
ですが、最初なので肝臓のどこを切ったのかを詳しく把握しておくといいでしょう。

ざっくり、右側・左側でも良いですが、カルテには「S1~S8」というように表記されていることがあります。
S2なら左肝ですが、S7なら右肝になります。こういった区分分けを表す表記もあるので覚えておく必要があります

もちろんその表記がどこを指すのかは知識がないとわからないので、わからなかったら後で学習して深めておきましょう。

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入院中の経過(経過表など)

入院中にどういう経過をたどっているのか把握することは、入院中の患者の看護として最も重要です。
  1. 今の状態
  2. 過去の状態

の両方を把握する必要があります。

オススメなのは医師の記録を見る(手っ取り早い)

医師に記録は経過を書いてあったり、治療方針も書いてあるのでぜひ参考にしてください。
ただ略語も入っているので最初は読み解けないかもしれませんが、だんだんわかるようになってきます。

今の状態

今の状態では、「今患者の体の中で何が起こっているか」を把握しましょう。

  • 順調な経過なのか
  • 発熱しているのか
  • 感染症を引き起こしていて治療中か
  • 腸閉塞などの合併症を発症しているか

などです。

今の状態がどういう状況かだけでなくそれが正常な過程なのか異常なのかアセスメントすることも重要になります

「発熱」と一言で言っても、

  • 術後の生理的反応で熱が上がる
  • 退院近くなって発熱が起こる

では意味合いが違いますよね。

過去の状態

過去状態というのは、自分が担当する以前の経過のことです。

例えば

  • 入院中に腸閉塞を発症した経緯がある(今は回復して食事摂取を開始している段階)
  • 痛みが強く鎮痛剤を調整した経緯がある

などです。

「経緯」によって注意するべき点が変わります。

投薬(内服薬・注射)

自分が担当する勤務帯に投薬する薬を確認しましょう。

投薬は「6R」の確認ですね。

~6Rとは?~

  • 正しい患者(Right Patient)
  • 正しい薬(Right drug)
  • 正しい目的(Right purpose)
  • 正しい容量(Right dose)
  • 正しい方法(Right route)
  • 正しい時間(Right time)

医療処置、看護ケア、検査

必要な医療処置や看護ケア、検査を把握しましょう。

これはスケジュール調整に大きく関わってきます。
  • 午前にやらないといけない処置やケア
  • 時間が決まっているもの
  • 患者の希望が強いもの

など踏まえて優先順位をつけ行っていく必要があります。

優先順位をつけるうえで重要なことはそれらの所要時間(自分が費やす時間)をきちんと把握することです
  • 点滴ある人の清拭には15分
  • ストマのパウチ交換なら35分
  • 医師の介助が必要な処置には30分は確保したい
  • 離床は10分
  • 検査搬送15分

など大まかに目安がわかってくると動きやすいです。(片付け時間も含めてくださいね)

わたし
わたし
自分の力量を知ろう

最初は些細なことでも10分、15分と時間ばかりかかってしまいます。
誰しもそうです。

ですがだんだんと要領よくできてきます。

まずは一生懸命やることが大事。

検査も時間指定のもと、呼ばれるまで時間が未定のものもあるのでそういったこともスケジュールに盛り込む必要があります。

医師の指示簿

これも確認しておいてください。

  • 排液の測定指示(●時間ごとの尿量測定、●時間ごとの胃管の排液量確認)
    ※場合によっては、ある一定以上の排液が出たら点滴を投与するケースもあり
  • バイタルサインの測定の回数
  • 血糖測定の指示
  • 痛みがある時、眠れない時、便秘の時など臨時で使用できる薬の指示
  • 血圧が高値だった際に使える薬

こういった指示が良く出ています。

確認していないと、決まった時間にしなければならないことが漏れてしまいます。

スケジュールの中に入れておきましょう。

掲示板

これは、その患者を担当したスタッフがすぐ目にできるように共有するための項目です。

掲示板には、

  • その日の担当者に向けた依頼
  • 患者について重要なこと

が書かれていることがあります。
必ず目を通してください。

多すぎて情報を取り切れない

担当患者全員に対して、

すべての情報は取り切れません。
  • ポイントを絞る
  • 1人の患者にかける情報収集の時間を決める

のもおすすめです。

入院患者、術後の患者、退院前の患者など全員が同じ配分で情報を取るわけではありません。

患者によって情報を取るために比重を置く点が変えましょう。

カルテからの情報収集のポイント~外科病棟編~【新人看護師向け】カルテから情報を取る時、どの情報を取ったらいいかわからないですよね。 以前、「カルテから情報取る時の最低限の項目」についてお話しし...

まとめ

今回は、「カルテから情報収集する項目」についてお話ししました。

病院によってこの限りではないこともあります。

わたし
わたし
わたしもカルテの見方は最初全然わからなかったです。

新人看護師さんは情報を取るのに躓くことも多いでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。

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みき
現在看護師をしながら、フリーランスWebデザイナーとして活動しています。将来、海外移住を目指しています。カナダに滞在歴あります。「看護師」「海外渡航」「Webデザイン」など幅広く発信中。